2023.12.10

13期から14期へ。事業転換をする中で残ったこと、引き継ぐこと。

先週末12月8日は株式会社NOKIOOの第14期キックオフでした。

神戸、福岡、三島にいるメンバーも浜松に集まり、今年度である第14期の経営方針の共有から、この方針を推し進める上での事業上の論点は何なのかを全メンバーで洗い出し、既に決まっている前提は目線合わせをする時間でした。

 

 
 
 

毎年このキックオフでは経営方針書を配布し、会社の理念、MVV、NOKIOO Way、経営方針から事業戦略・事業計画、チームの中に取り入れていきたい考え方を可視化し、いつでも取り出せる冊子という形態にしています。

 

 

ちなみにこの取り組みは第7期からはじめました。はじめのころは前日に夜な夜な複合機でブックレット印刷して、何とか当日間に合う感じでした。

 

 

そして期初というタイミングだけこの冊子を見て、議論して、目線を合わせるのではなく、期中も立ち返り、方向性を確認し、状況変化によって変えていかなければならないことに気づくために、今年からは週次の全社ミーティングで輪番の進行役メンバーが、これまでの3分スピーチに変えて、経営方針書からのテーマピックアップによる発表・スピーチに変えてみようと思います。



 

さて、今回のブログでは14期のこれからの話ではなく、ここ約1年間取り組んできたNOKIOOにとっては会社の歩みとしてもとても大きな出来事であり、会社のターニングポイントになったであろう事業転換に関わる話を書いておきたいと思います。

 

NOKIOOが創業来取り組んできた、WEBマーケティング・WEB開発を中心としたWEB関連サービスは昨期を持って終了し、今後は人・組織・ブランド開発に事業を集中させることを13期の期中に決断し、実行に移しました。

 

事業の大きな方針転換を決め、社内メンバー、株主などに丁寧に説明しました。そしてその次のステップでは、各お客様にご説明をさせていただきながら、私たちが制作した開発物を、私たちの事業継続が無い中でどのように運用を引き継いでいくか協議しながら進めた約1年弱でありました。

 

2021年にコーポレートアイデンティティーを明確に言語化し、自分たちのMVVを定めた時点でこうした方向に向かうのは必然だったのかもしれません。

 

この祖業の事業は、NOKIOOが浜松という地域で育ち、地域に新しい事をいろいろ仕掛けていくうえでの起点だったと振り返ります。地域社会・企業・キーパーソンと繋がるを作り、そこから次の事業に対する地域ニーズを嗅いだり、試行をしてフィードバックを頂いたりする中から具体的事象を見て、自分たちがそれを元に感じることで、自分たちの中から内発的に生まれてくる取り組みたい方向性が見えてきたと振返ります。それが言語化されてきて、サービスのアイデアが生まれ、事業に発展し、この14期という新事業年度は、経営資源をそこに集中させて取り組むんだ、というところまで辿り着いたのです。

そういう意味もふくめ、長らくWEB関連事業を通じてお付き合い頂いたお客様や、支えてくれたメンバーの皆様、関係者に大変感謝をしております。

 

節目を迎えるにあたって、このWEB関連事業が次のNOKIOOに何を引き継ぎ、残していくのかを考え、言語化しました。それをこのブログで残しておきたいと思います。

 

これから紹介する残されたものは、現場でリアルな仕事に向き合ってきたことで、NOKIOOの基礎能力やカルチャーとして磨かれ、今のチーム能力・カルチャーに引き継いで来られたのではないかと考えています。

これらの組織の基礎能力やカルチャーが、これから取り組んでいく事業である人材育成の「パフォーマンスワーク」と組織開発の「未来共創ワーク」で活かされていくと思います。



 

1つ目は「視覚的な見え方を通じて、人を動かしたり、感じさせたりすることに対するセンスや一定のリソースをそこに投じる企業カルチャー」

 

WEB関連のサービスを通じて、デザインやクリエイティブが経営においてとても大事であることを理解してきました。中身が良くても、考えていることが良くても、戦略が素晴らしくても、それを伝えて人を動かすためにはクリエイティブの力がめちゃくちゃ大事ということ。

まだまだNOKIOOの「パフォーマンスワーク」「未来共創ワーク」からの発信のクリエイティブも発展途上ではありますが、今のNOKIOOでは、明らかに事業推進の中ではメンバー間でどうやってクリエイティブが顧客体験を創り出し、より良いものにしていくかの観点での議論が増えていると思います。そして14期序盤にはブランドマネジメント・クリエイティブマネジメントに責任をもって動けるメンバーも加入予定です。



 

2つ目「スピード感を持ってアイデア・思想をカタチにする力」

 

クライアントワーク事業ではWEBというアウトプットを通じて、考えていることを素早くカタチにする筋肉が鍛えられてきました。顧客がフワッと考えているアイデアや取り組みたいことを言語化し、要件化し、まずはWEBで表現することを繰り返してきたことが、組織としてのこの能力を鍛えてきたのだと思います。

現スクラ(元 育休スクラ)をリリースした2020年2月頃には育休スクラだけでなく、同時に3,4つの自社活動PoCの原型をリリースすることもあり、そのタイミングで実施した最初のエクイティーではその力を評価して参画いただいた方もいたと記憶しています。



 

3つ目「顧客に丁寧に対応する向き合い方、お作法的な要素」

 

これは特に地方で中小企業を中心にWEB関連のサービスを行ってきたことに依る要素もあると思います。必ずしもカウンターの経営者・担当者はWEBに対しての知識などが明るくない中で、丁寧に対応し、向き合い、ベストエフォートでやろうとするスタンス。これは今の人材育成・組織開発が事業の中心となり、顧客層も大企業を中心とした大手が増える中で、当社の対応スタンスに引き継がれていると感じています。

 

 

 

4つ目「UX/体験デザインに対する感度や、重要性に対する組織的認識が育まれた」

 

WEB関連サービスを展開する中で、2015年頃から4,5年間「ユーザーテスト ON Search」というユーザーテストサービスを展開していました。これを通じて、世の中の多くのWEBサイト、WEBサービスがいかに作り手主導の観点で作られ、ユーザーの観察や体験づくりという視点が欠けているかということを目の当たりにしてきました。多くのWEBサイト、サービスでは過剰な機能・ボタン・デザインが施されているけど、多くのユーザーの良質な体験とは結びついていない。

顧客のことを考えた時に「本当に考えるべきことは何か?」という本質的思考回路が組織に宿る一因になったかもしれません。

 

私たちの経営判断と、それによる事業転換によって、引き継ぎなどのお手間を掛けたりしながら、一部ではご迷惑をお掛けした状況もあったかと思います。それについてはお詫び申し上げながらも、上記の4つのうちの3つ目の要素で、可能な限り丁寧にベストエフォートでサービス終了に伴っての活動もさせていただいたのではないかと考えていますし、そうした対応を前線で取り組んでくれたメンバーには“感謝”という言葉では表現しきれませんし、表現不足ですが、そういう気持ちです。





 

ということで、今後はNOKIOOが新たに価値を発揮すべき「チームワークでパフォーマンスをあげられる実践者の育成」と「組織内対話により、関係者の共創を生み、社内活動を促進させる支援」を通じて価値発揮をして行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。その際にこれまでの事業から引き継いできた4つのことを存分に発揮して取り組んでいこうと思います。