2023.08.15

本社事務所の移転にあたって ~ ノキオスタイル(オフィスコンセプト版) (後編)

8月末に正式に本社移転登記も行い、お取引各社、パートナー様へのご案内をしますが、先行してこちらで本社事務所を移転することと、その背景で考えてきたことをお伝えします。

前編はこれまでのオフィスのハード的変遷を振り返りながら書いてきました。後編はオフィスと関わるソフト・カルチャー・事業コンセプトと関わることを書いていきます。

 
 

 

コロナによって加速したノキオスタイル

 

2020年に始まったコロナによって、僕たちも例外なく働き方が変わっていきました。

変わったというよりは、それ以前から志向していた方向へ、より加速がされていったという方が正しい表現かもしれません。そしてコロナがある程度収束してきた2023年において、以前の働き方に戻る予定は無いですし、より進化・発展をさせて行くことになると思います。

 

僕たちは、コロナ以前から場所を問わないオンラインワークと、オフィスに集まって対面ワークをする両方の働き方を個人裁量での選択に重点を起きながら、一律的なルールではなく会社のカルチャーやチームワークの在り方を判断基準に、各メンバーやチームがそれぞれの状況において判断をすることを重視して運用してきました。



 

そのスタンスはコロナ以降も変わりませんでしたが、大きく変わったのは、自分たちというよりは世の中のオンラインシフトが大きく加速したことでした。これまでは対面を求められていた(求められていたというより、それがデフォルトだった)場面が、オンラインで良いものはオンラインで完結させられるようになったこと。

 

2020年2月にサービスリリースをした育休スクラ(現:スクラ)は全てオンライン完結のコミュニティー型学習プログラムですが、サービス設計当時は育休中で特定の場所に行くことが難しいからオンラインプログラムとして設計したのですが、今となっては育休中に限らず、学びの場の多くがオンラインにシフトしていますよね。

 

 

 

世の中のオンラインシフトが進んだことによって、元々、その仕事・業務・コミュニケーションの特性にあわせてオンラインの良さや効率性が活かせる場面ではもっともっとオンラインを使っていきたいと思っていたNOKIOOにとっては都合がよかったということです。

 
 

ということで、コロナ後、僕たちのチームには福岡、神戸、三島、名古屋などフルリモートメンバーも加わり、よりハイブリッド率が高まっていきました。

浜松エリア在住メンバーも、業務の中心がオンライン上、チームメンバーとのコミュニケーションがオンラインミーティング・チャット・Teamsなどが中心、顧客パートナーとのやり取りもオンライン…となる中では、必然的に場所が問われず、在宅やコワーキングなどが中心になっていきました。

 
 

ということで、ここ直近のNOKIOOオフィスは席数が25席ほどあるにも関わらず、多くて6-7席程度の稼働。他の参加メンバーや顧客パートナーは全てオンライン上のため、オフィスからオンラインミーティングへの参加という状態が続き、

少ない時には1,2人という‥‥広いオフィスに何とも寂しい状態。

 
 

その間にNOKIOOのビジネスモデル・事業ドメイン自体が大きくDXし、これまでの対面中心のローカル企業へWEB制作を受託する事業や、ペーパー中心の行政事業から、現在のパフォーマンスワーク(人材育成)と未来共創ワーク(チーム開発・インナーブランディング)へ移行し、そこでのビジネスパートナー(顧客)もデジタルリテラシーを持っているし、組織としてそういう方向に向かっているパートナーに変わっていきました。



 

オフィス移転にあたって考えたこと、思考回路

 

そんな状態が2020年以降続いたため、当然オフィスの移転についても何度も議論にはあがってきていましたが、単純によりサイズの小さい、コンパクトな事務所に移り、結果的に「家賃等の固定費も圧縮ができたからそれでよかった」では、前編で書いてきたオフィスの在り方や働き方が経営のコアであると定めて試行錯誤してきたNOKIOOらしくなく、社内外に対してのメッセージとしてもポジティブとは言えないし、思考に発展性が無くてイマイチ感がぬぐえず、どんな意味を持たせるのかをあれこれ考えていました。

 

そんな中で、

 

「自分たちにとっての物理的な場所に持つ意味合いや、求めること、これまで得てきたことは何だろうか?」

「自分たちのパフォーマンスワークや未来共創ワークの事業をより後押ししていくために、物理的な場所はどういう貢献の仕方があるか?」

 

という問いを立て、それに向き合う中で、

 
 

自分たちにとっての“場所”は

 

・未来志向の人と人が集まり、一緒に学ぶ場や未来共創の営みをつくっていけること

・普段のワークとそういう場が近接していること

・が故に、偶然の出会いや、久しぶりの出会いから雑談…対話発展の機会が生まれること

・自分たちがその場づくりに関わっていること、

・あるいは、そういう未来志向の場を他のテーマ(例えば「食」とか)でつくっている場所にアクセスできること、関われること

 
 

というような内容で再設定する方向だなと思えてきました。事実NOKIOOという会社自体が一つのコミュニティーと考えた時(僕は会社をコミュニティーと捉えています)、NOKIOO自体が社内メンバーと物理的な場所を使って、こうしてきた過去があると思っていますし。

 
 

ということで、経営メンバーでオフィス移転については意思決定し、全社ミーティングで社内メンバーにもその決定事項や、そこに至った経緯、その背景にある考え方を伝えた時にはこんなスライドを使って説明をしました。

 



 

どうやってメンバーに説明を使用か考えている中で、この思考の転換は自分なりにも面白いな、と思ったのは、

 

勘定科目をこれからは「地代家賃」から「コミュニティー創出費」に変える。

ということ。

 
 

従来から使われている会計上・予算管理上の勘定科目も何の疑問もなく前例踏襲で「地代家賃」としている。この勘定科目からは、場所を借りる・オフィス契約をするという枠内でしか物事を考えられなくなるけど、自分たちは場所を通じてコミュニティー創りをしていると捉えれば、勘定科目を「コミュニティー創出費」にしてしまえばいいのではないか?

 
 

こうやって思考をリフレーミングすると、年間数百万円これまで掛けてきた家賃をより有効に使っていくためのアイデアが沢山出てきます。

 
 

実際、NOKIOOのメンバーからは

 

・全国にいるNOKIOOメンバーを集めて全社セッションの頻度を上げよう。

・浜松の別テーマの未来志向のコミュニティーの会員となって、自分たちもそこに参画しよう。

・他地域のコミュニティーにも関わったり、視察したり、アイデアを得るために出張しよう。

・新オフィスでの他社メンバーも含めた勉強会開催に予算を付けよう。

 

など、場所にお金を払うとは視点の異なるアイデアが生まれてきたのです。




 

今、僕たちは、世の中の多くのチームが、これまでの在り方・カルチャー・関係性のままでは早晩行き詰まりを迎え、未来が困難なものになってしまうのではないかという強い課題意識を持っています。

自分たちがその課題感に対してできることは、

 

・NOKIOOという組織を時代に先駆けてアップデートをし、その過程自体が実証実験でその過程で気づきを言語化すること

・チームのアップデートに必要な個々人のマインドセット・スキルセットの育成をパフォーマンスワーク(人材育成)としてソリューション提供すること

・そうしたメンバーや経営陣と一緒にチームで共創する営みを一緒に創り、組織のブランディングを行うこと

 

だと考えています。

 
 

そんな風にNOKIOO自体の事業や組織のコンセプトもここ数年で言語化されてきたり、より輪郭が見えてくると、それに合わせてオフィスの在り方に不整合を感じるようになりました。

 

皆さんの会社はいかがでしょうか?

オフィスの在り方が5年前、10年前と一向に変わっていない??

それは事業モデルが進化していないから不整合が起きていないのか、それとも事業モデルが進化しているのにオフィスの在り方を整合させるということができていないのか、どちらなのでしょうね。