2019.08.31

テレワーク・デイズ浜松で考えたことと、ちょっとした危機感と・・

8月29日、The Garage for startupにて今年のテレワーク・デイズ浜松を開催しました。会場には延べ50名近くの方がお越しいただき、オンラインでも10~20名の方にご参加いただき盛況なイベントとなりました。
それはそれでよかったのですが、僕の中では一方で大事な問いも残ったので、そんなことをブログ後半に触れながら、イベントを振り返りたいと思います。
 
 
 
 
テレワーク・デイズ浜松は、総務省等の中央省庁が呼び掛けて実施している「テレワークデイズ」に乗っかって、勝手に浜松でNOKIOOが始めたテレワーク・ワークスタイル変革を考え、議論するための啓発イベントです。昨年をスタートに今回で3回目の開催となりました。
 
 
浜松は製造業が多く、現場仕事の感覚からすると「テレワーク」という言葉尻だけとらえて、経営者があんまり関係ないと捉えられていないだろうか?と感じているが、大きなテーマとしてワークスタイル変革をどう進めていくかと捉えるコアなイシューの中にテレワークも位置付けて考えるべきだし、議論すべきだと思う。その議論が進まないこの地域に結構危機感を感じる。
そんな思いもあり、少しでもこの地域でワークスタイル(テレワークを含む)を議論したり、その概念で先を行っている企業や働き手の事例を注入することで、きっかけが作れればという思いでこのイベントを実施しています。
 
 
今回はThe Garage for startupをコワーキングスペースとして1日解放し、午後からは合計5本のトークセッションと最後にネットワーキングを実施しました。
 
 
「テレワークから始まる近未来。ワークスタイル×MaaS×地域活性を語る!」
 
沢渡あまねさん(あまねキャリア工房 代表/なないろのはな 取締役)
貝瀬斉さん(株式会社ローランド・ベルガー)
原子拓さん(株式会社ラック)
平野尚志さん(ヤマハ株式会社)
 
 
 
 
「変化し続けることが生命線」
 
堀内保子さん(日本マイクロソフト株式会社)
 
 
 
 
「ヤマハ女子が語る!テレワークを豊かにするための音のヒケツ」
 
西和子さん(ヤマハ株式会社)
 
 
 
 
「オフィスなし、全社員「リモートワーク」のソニックガーデンの取り組み」
 
大野浩誠さん(株式会社ソニックガーデン)
 
 
 
「地方発ベンチャー企業が取り組むワークスタイル「ノキオスタイル」」
 
小川健三(株式会社NOKIOO)
 
 
 
 
貝瀬さんの仰っていた「創造生産性®」という考え方とその根本にある問いが個人的には自分の中に残る問いだった。働き方改革の名のもとに生産性を上げろ上げろ、と取り組むアプローチが「アウトプット÷インプット」のインプットを絞り込むことに議論が先行しているが、アウトプット側を広げる、大きくする、新たに創造していくことに目を向けませんか?それって問いを変えると、個人として会社として本当は何をしたいのですか?というコアな問いになる。そこを見失って、インプットを絞ることを続けても動機が続かないという話だった。
 
 
あとは沢渡さんの「働き方改革の本質は自分たちの「勝ちパターン」を実現すること」という話。僕のセッションでは「ノキオスタイル」で取り組んできたことをバラバラと紹介し、その根底にあるベースの「考え方」を紹介したが、もう一段抽象度をあげて、NOKIOOの勝ちパターンサイクルのように定義できると、そのサイクルを意識しながら会社とメンバーの活動が回りだし、好循環が回り始めるだろうな、と感じた。
やっぱり、個々人、それぞれの会社ごとにやっていることも考えていることも、持っている強みも弱みも違うのだから、他社の事例一つのみがピタッとあてはまることは無くて、いろんなアクションを試しながら、自分たちなりのパターンを作っていくということが重要だ。テレワークもそうしたアクションのうちの一つ。自組織にとってテレワーク的やり方が、どうはまりそうなのかをどこの会社も考えてみる、トライアルしてみる必要があると思う。
 
 
 
さて、個別セッションやテーマ以外のところで感じた僕の危機感は、地方都市(浜松)の企業の働き方をスピード感をもって変えていかないと優秀な人ほど抜けていくよ、という危機感。今回、登壇いただいた原子さん、大野さん、いずれも以前から付き合いがあるから知っているけれど、以前は浜松地域の会社に勤めていたのに、それぞれの勝ちパターンの働き方を見つける中で、今は東京の会社で働いている。お二人とも浜松Loveなので、この地域に残り、関わり、こうしたイベントには出てきてくれているけれど。そしてイベントに参加いただいた方の中にもチラホラと同じパターンの人が。テレワーク的な働き方を活かして、浜松にいながらそういう働き方で自身の勝ちパターンを実現し、所属する会社もこうしたメンバーを活かすことが勝ちパターンになっている。
 
僕の中では、この先数年で企業の人材グリップ力に関して2極化すると思っていて、人が抜け人材が集まらなくて尻すぼみ企業と、勝ちパターンを見つけているので人が集まり、人がイキイキと働き価値創造をしていく企業と両極端になるということ。その分水嶺がもう今ここにあって、今アクションしないと手遅れになるということかな。
参加・運営をしながらそんなことも感じる時間でした。
 
 
 
今回の開催にあたって快く登壇を受けていただきました上記の皆様、本当にありがとうございました。
 
それから開催支援で協賛いただきました各企業様、手弁当で開催している中で大変ありがたかったです。
 
Any様(浜松のまちなかコワーキングスペース)
365BASE様(今回の会場近く、OUTDOOR HOSTEL。浜松でワーケーション際にはお泊りください)
WeWillAA様(バックオフィス業務サポートチーム 我々もお世話になっています)
LA Solutions様(無痛分娩の安全性向上のパイオニア)
秋山内装様(浜松の床工事・内装工事のプロ集団)
ヘルツ電子様(ワイヤレス技術製品)
ブローチ研削工業所様(放電加工、ゲージ製作、各種研磨などの精密加工のパイオニア)
日本設計工業様(マテハンシステムのスペシャリスト集団)
本当にありがとうございます。
 
 
最後に今回のプロジェクトリーダーのNOKIOO大桑さんと、前日設営から当日運営までのNOKIOOのメンバーお疲れさま。ありがとうございます、安定した運営で頼もしかったです。
 
  • NOKIOO
  • 小川健三