2020.03.02

半育休のススメ

半育休なるものがあること自体を知らなかったのですが、現在NOKIOOで育休をとっている社員の池上さんが、今年4月末の本格復帰を前に「半育休で少し仕事に戻れませんか?」と昨年末の申し出をしてきました。いろいろと調べながら1月末より半育休として働いてもらっています。
 
 
半育休は育児休業を取得しつつ、通常より短い時間で働くことで、もともと育休自体が、「育休中に・業務をすることも可能」という制度なので、特定の条件(就業時間や携わる仕事内容)をクリアしながら育児休業給付金ももらいながら、会社からの給与も受け取りながら働くというスタイルのようです。
 
当初はどんな使い方ができるか、イメージがつかめず、動ける時間に自分の裁量で働く、ということだったので通常のオペレーション業務に入ると納期があるし、チームメンバーとの仕事の受渡などを考えると定常業務に入れるのは難しいな、とも思っていましたが。半育休をはじめて1か月強いい感じで本人も会社もこの仕組みを活用しています。
 
 
今年5月から本格的に始まるプロジェクトがあり、現在はそれの準備期間。プロジェクトのコンセプト決めから、工程表作成、収支計画、集客に向けた準備など…もろもろやらなければならないことはあるけれど、定常業務を抱えたメンバーからすると猫の手も借りたい忙しさ。一方でこれらの準備タスクは日時指定でガチガチの期日があるわけではなく、週単位ぐらいで一つ一つのマイルストーンを踏んでいくようなスケジュール感。
 
元々彼女には復帰後はそのプロジェクトに関わってもらいたいと構想をしていましたが、そういうことなら、半育休の時間を使って、このプロジェクトに至ってきた過去の(育休中に起こっていたこと)レポートや、顧客レスポンス、分析資料などを読み込んでもらって、ここまでの経緯や文脈を埋めていくこと、PJ立ち上げ段階のステップに入ってもらい、途中から各ミーティングのファシリテーションは行ってもらい、工程表作成や収支計画も作ってもらい・・・ということをする中で、スムーズな復職が果たせそうな感じになってきました。
 
 
本人は、まだ言葉が戻らない、思考のスピードが戻らない、と言ってますが、本格復帰の4か月前から少しずつこうした時間を設けていくことは、まさに復帰に向けたリハビリの時間になっているのだと思います。あと、本人が週に数時間でもこうして職場の仲間と接点を持ち、仕事の話をして「楽しい」「仕事した日は頭を使って、すごくお腹が減る」と言ってくれているのが嬉しいね。
 
 
そういえば、僕も育休期間ほどではないが仕事を離れ、復帰時にどうもスランプというか、思考や言葉がついていかないことを経験したことがあります。
1年半前に大怪我をして2ヶ月ほど入院、療養した期間がありましたが、復帰直後は「キレが悪いな」と強く感じた。要するに思考がなまるのと、仕事上での言葉にする機会が極端にその期間無くなるので(育休中のお母さんは、言葉のしゃべらない乳児と“バブバブ”言ってるので。僕の場合は病室で看護師さんと話すぐらいなので)、いざ仕事の場に戻ると、言葉が出てこなかったり、思考がついていかないことが起こるんだね。
 
育休中の女性(これからは男性も)はこうした課題を克服してスムーズな復帰ができるように、本人も意識して取り組んだ方がいいし、会社もそこをサポートしてあげるのがよいのだろうと、今回の池上さんのケースと自分のことを機会に、そう思った。
 
 
まさに現在進行中のプロジェクトに入れるは難しいけど、復帰したら進行中の案件に入って欲しいし、ということであればうまくこの半育休を使って、助走期間を作れるのは、いい復帰プログラムだなと思って取り組んでいます。
 
にしても、本人は鈍ってるって言うけど、全然アウトプット精度高いし、レスポンス速度がいい感じで、これは本格復帰が本当に楽しみだ。
 
 
今日もそんなことで、メンバーとオンラインミーティングをしてました。
 
 
 
付け加えると、半育休中はほぼ在宅でやってもらっているので、わざわざ事務所には出てこずとも業務に携わってもらってます。
 
 
少し話が変わりますが、先月2月にリリースした「育休schoola」
 
育休スクラとは、育休中に自分自身をアップデートしたい人のためのオンラインスクールです。育児休業は、復職までの間、赤ちゃんの成長をそばで見守ることのできる大切な時間。一方で、働く女性でもある自分自身のキャリアと働き方を見直す大きなチャンスとも言えます。育休スクラに参加すると、自分も仕事も大事にできる仲間との出会い、復職後のキャリアを支える一生ものの学びを手に入れることができます。「復職後も仕事で活躍したい」「両立の不安や悩みを解消したい」「今しかできないことで、育休を充実した時間にしたい」そんな願いを、仲間とともに“楽しく学ぶこと”で実現しませんか。
 
 
 
この育休スクラもそういう意味合いもあって、育休中に復帰に向けて、この時期だからこそ新しい学びや、新しい仲間とのつながりを作るための機会です。
第1期生の開講式やその後のクラスを少しのぞかせてもらいましたが、いろいろな立場、所属会社、職種、地域の方が集まり、活発な議論をしていました。
育休中の個人も、雇用している会社側も育休時の過ごし方を意識して選択していくことが大事だなと思う。こうやって多様な人材を活かす組織、社会でありたいですね。