2019.07.09
あすか会議2019のディスカッション機会を通して考えた自分たちのビジョンの一つ
この土日は昨年卒業をしたグロービス経営大学院のカンファレンス「あすか会議」に参加。
地元浜松での開催でした。
今回で4回目の参加となるが、これまでは様々なセッションに参加して、講演者からインプットを受けることが中心だったが、今回は初めて自分自身が講演側に回り、在校生に対してアウトプットする「リーダーズディスカッション」でお話をさせてもらった。
約1-2週間前から講演内容を構想し始めたが、「自分の経験を振り返り、そこから学んだこと、言えることを抽象化し、言葉に落とし込む作業」が自分にとってはとても良い機会になった。こういう機会が設定されなければ、なかなか日々の忙しい中では難しく、ある意味今年のあすか会議の大きな収穫の一つは、会議が始まる前の自分のこの作業や思考にあったかもしれない。
僕の話をしたテーマは「地方ベンチャー企業を経営する中で変わったこと、変えたこと」。この8年間の経営を振り返る中で、事業・組織づくり・リーダーシップという3つの縦軸に対して、“地方都市”ならでは、“ベンチャー経営”ならではという視点でという横軸を通し、経験してきたこと、学んできたこと、ディスカッションに参加した皆さんにお伝えしたいことをお話しした。
現在は東京の大手企業に勤めているが、近いうちに山陰方面の地元にUターンして起業を考えている方や、実際に仙台で起業したての方、既にベンチャー企業で8年間COOを務めている方など、多様な在校生に参加いただき、活発にご質問いただき、議論させてもらったのは自分の考えを深める点でとてもよい時間となった。
事業の話としては現在取り組む「女性活躍プラットフォーム事業創り」を中心に紹介をしたが、これはNOKIOOという会社の時間軸で行くと“今”を切り取った話であって、ここに至る8年間の過去をフェーズ分けし、どんなことが起こり、どんなふうに変遷してきたかの中に、地方でベンチャー企業経営をし、組織を作り、事業を進化させていく中でのヒントがあると思い、下記のような大まかな時代変遷を作ってみた。
それぞれの時代や組織構成の大きな変化期、事業の変化期にどのようなことを考えて、実行したのか、そう考えて時代を意思を持って変えようとしたきっかけは何だったのか、など、自分の思考が変遷していく原点が何だったかを振り返ったり、その自分の思考の変化が自分のリーダーシップスタイルや組織づくり、事業内容に対してどういう変化をもたらしたかを関連付けて俯瞰してみてみると面白い。
そして自分の思考チェンジに端を発して、変化を起こしたことの、その結果の事象としていろんなトラブルや事件(笑)が起きたなあ、と。先に触れたCOOの参加者とお話しする中で、「そうですよね~」ということだったので、地方で尖がって成長していきたいベンチャー企業にとって通る道なのであって、僕が経験してきたことを先に耳に入れておいてもらえれば、リーダーシップ、組織、事業の意思を持った変化は必然にしても、それによって起こるネガティブな事件に対しての予防策は立てられるのかもしれない。
そういう観点でお聞きいただいた皆さんのこれからの経営にお役立ていただければ嬉しいと思った。
そして、この地方のIT開発企業がこういう時代変遷を経て、艱難辛苦ありながら、変化をして、受託業務に依存した企業から、新規市場を開拓し、アプリケーション提供型のビジネスモデルに転換していくことができれば、同じような立場にある地方IT開発企業に対して大いに勇気を与える事例になるのではないかと思い、そんなことを通してNOKIOOの理念にある人に社会にエンパワーメントをしていくこともビジョンの一つだと再認識した。
ちなみに経産省のDXレポートの「3.4.2 ベンダー企業の目指すべき姿」というパラグラフに「ベンダー企業の中には、既にこうした分野に特化した企業もいるが、一部の企業においては、引き続き従来技術に基づく受託業務に過度に依存した構造が見られる。世界のソフトウェアベンダーがクラウドベースのアプリケーションの提供により急速に成長している現状に鑑みれば、今後、ベンダー企業においては、受託業務から脱却し、最先端技術活用の新規市場を開拓し、アプリケーション提供型のビジネス・モデルに転換していくことが必要である。」という記載がある。
まさにそうだと思うが、では、そういうように企業体の在り方を転換していく具体的手法やノウハウは述べられていない。僕らが今取り組んでいることで成功することも失敗することもあるが、それらがまさに手法でありノウハウなのであるから、何が何でもこの転換を成功させて、こうしたあすか会議のような機会を通じてその経験と学びを、より伝えていける立場になっていきたいと思った。
あすか会議、巨大化してきました。機会をいただきありがとうございます。