2023.10.14

PMVVの前にチームのWayを定めてみてはどうだろうか

10月12日は当社主催イベント「HRライブ2023 ビジョンでチームを動かす!」のDay1が開催されました。

当社のイベントは通常はオンライン形式がほとんどですが、このDay1のみはリアル・オンラインのハイブリッド開催で、NOKIOOの本社がある静岡県浜松市でリアル会場を設けて実施をしました。

 

 

 

 

私たちが東京に出ていくのではなくて、私たちNOKIOOがどういう場所から生まれ、どういうメンバーで事業を行っているのかをぜひ皆さんにご覧いただきたく、ホームの浜松で実施をしましたが、栃木、東京、静岡、名古屋、大阪など多くのエリアから合計30名超がご参加いただき、オンラインでも100名近くにご参加いただ、参加者同士のディスカッションや交流も生まれ、充実したイベントとなったのではないかと思います。

 
 

前半は毎月実施している90分腹落ちセミナー形式で、おなじみの沢渡あまねさんと、当社の小田木朝子さん、今回はゲストとして株式会社パラドックスの執行役員で、ブランディング・プロデューサーの鈴木祐介さんの3名で「チームのパフォーマンスを最大化するビジョン設計のヒント」というテーマでディスカッションを行いました。

 
 
 

後半は現地会場にお越し頂いた参加者を6つのグループに分けて、前半のセッションでインプットしたことの理解を深めたり、各社の課題感を共有いただいたり、その中から次のステップへの気づきを共有したりというワーク形式で実施をしました。

 

 

今回のブログではこの一連のHRライブの中で、参加の皆さんの多くからテーマとしてあがった、

 

・ビジョンは抽象度が高く、自分ごと化が難しい

・チームメンバーが抽象度の高い議論に慣れていなくて、ビジョンのイメージを合わせるのが難しい

・ビジョンの話が結局数字の話になってしまう

 
 

と言ったようなことについて、これらの論点が僕自身の頭の中でも残る中で、組織・チームとしてのビジョンに対するアプローチの仕方の一つのアイデアが出てきたのでそれを書いておきたいと思います。

 
 

そのアイデアが出てきたのはHRライブの翌日の別の勉強会の場。


翌日10月13日は浜松のお隣、愛知県豊橋市で行われた「あいしずHR」にオブザーブ参加させていただき、僕も一緒に議論の場に混ぜていただいた中で出てきました。

ちなみに「あいしずHR」は、これまた沢渡あまねさんを中心に東三河地域の経営者・マネジメントに関わる立場の方が展開する勉強会で、今回が4回目の開催との事でした。

 

温かく迎え入れてもらい、僕もアレコレ質問させていただいたり、考えを述べさせてもらって楽しい勉強会でした。ご一緒させていただいた皆様、ありがとうございました。

 

今回の勉強会で設定されたテーマは「フラットマネジメント」

 
 
 

 

こちらの本を参考に、チームに組織に、そしてその地域にどうやったらフラットマネジメントのカルチャーを浸透させていくことができるだろうか。ということがテーマでした。

 

フラットマネジメントの中で書かれている7つの思考とは以下のことのようです。

 

【フラット・マネジメントの7つの思考】

思考1 固定観念より新しい価値観 〜「あなたの常識」は、部下の非常識〜

思考2 会社の都合より部下自身の「納得解」 〜出世したがるのは上司だけ〜

思考3 費用対効果より時間対効果 〜あなたとの食事はお礼にならない〜

思考4 大きなビジョンより小さなアクション ~口だけ上司は、言葉は軽いが腰は重い~

思考5 上から目線より横から目線 〜部下から吸収できないリーダーは成長できない〜

思考6 嫌われない建前より丁寧な本音 ~叱れないのは、自分への優しさでしかない~

思考7 リッチキャリアよりサステナブルライフ 〜「会社の中の蛙」上司は尊敬されない〜

 
 

まだまだ弊社も発展途上とはいえ、NOKIOOの目指すチームカルチャーと、ここで書かれている事の方向性はだいたい一致していて、だいぶそういう思考を持つ組織になっている自負はあります。

 
 

では昔からそうだったかというと、決してそうではなく、創業の2011年からの数年間はだいぶお恥ずかしいチームカルチャーだったと思います。フラットマネジメントの対極だったかな?

 
 

さてさて、話を少し飛ばしながら、「組織・チームとしてのビジョンに対するアプローチの仕方の一つのアイデア」に向けて展開をしていきたいですが、

 
 

世の中はパーパス・ミッション・ビジョン・バリュー(PMVV)が大事だということが一定の共通認識になってきました。僕たちもそう思いますし、チームづくりのご支援や、ブランディング支援をする中でもMVV作成の現場にも立ち合いますが、先ほどのHRライブでの参加者の感想にもあるように、MVVはなかなか難しい。

 
 

MVVは抽象度が高い議論を組織内で展開し、対話を重ね、紡ぎだしていくものであるし、

MVVの抽象度が高いゆえに“日々の具体的な業務や事業活動”と紐づけてイメージしたり、実感するのには抽象コンセプトの理解力、意味づけ力などが必要であるからでしょう。

ちなみに僕はMVVは会社の大きな方向付けをする要素なので、高度は高く、理想を語り、世代を継ぎながら辿り着くような崇高なモノでありたいと思うので、当然、抽象度が高く在るべきだと思います。超具体的なMVVは組織を束ねる永く続くものにはならないと思っています。

 
 

では“日々の具体的な業務や事業活動”とは何か?それは日々の個々のメンバーの行動であり、発言であり、姿勢ですね。と言うことであれば、その日々の具体的な事象に対する在り方を組織・チームで定めることからはじめるということが一つの選択肢としてあるのではないかというアイデアです。

 
 

NOKIOOでは会社としてのMVVをきちんとした社内プロジェクトを組んで作成したのは、実は2020年の後半からでした。それまでもビジョン志向はあったし、ビジョンを語る場もあったけれど、きちんと専門家(パラドックス・鈴木祐介さん)の力を借りて取り組んだのは、実はここ数年前なのです。

 
 

では、それ以前のNOKIOOを束ねるものには何が存在していたか?

 
 

それは経営理念(パーパスに近いもの)とNOKIOO Wayでした。NOKIOO Wayは日々の行動、発言、姿勢についての在り方を定めたものです。

NOKIOO Wayを2015年頃に定めたのが、MVVのようなインナーブランディング的なものの言語化と、浸透活動のスタートだったと振返ります。

 
 

NOKIOO Wayの中には

 

・「私は」ではなく「私たちは」の精神で、

・チームパフォーマンスの最大化

・メンバーへの貢献の視点で仕事・物事に向き合う

・自身の成長を通しメンバーの成長への貢献

・メンバーの存在・役割、仕事内容に尊敬を払う

 
 

などの、チームとしての在り方が言語化されています。

先ほどの「だいぶお恥ずかしいチームカルチャー」はこれを起点に拠り所が生まれて、今のNOKIOOのチームカルチャーが作られてきたように思いますし、
 


日々の具体と、拠り所とする抽象の行き来が、行動規範に関することだと取り組みやすいし、取り組む機会が頻繁にあることもWayの良さではないかと思うのです。

 
 

今日の自分の「まあ営業の仕事は所詮●●●●だからさ、、」という発言は(具体)、NOKIOO Wayにある「尊敬を払う」(抽象)ということに対して一体どうなのだろうか?

どういう発言や態度、心持ちであればその抽象概念を具体化することだったのだろうか?

 
 

こんな具合に具体と抽象の行き来がしやすい、とても日々の活動の身近にあるということです。

 
 

そんな中でチームカルチャーが作られるとともに、抽象度の高いことを議論したり、目線合わせする能力がチームに付けられてきたのかもしれません。

 
 

と言うことで、HRライブDay1の部分まで戻って振返っていくと、チームのビジョンは大切なのは間違いない。

でもだいぶ先の将来のことで設定をしたり、抽象度を高くしたり、事業を通じて成したい事のような不確実性も伴うモノをいきなり設定して、

「ビジョンが浸透しない」

「ビジョンについて議論が活性化しない」

ということが起こるのであれば、チームの在り方・行動様式を一旦はチームの在り方ビジョンに置き換えて、設定してみることもよいのではないでしょうか。

 
 

そうすることでチームの思考・行動様式があってきて、その過程において抽象コンセプトを思考するチームに変わり始め、中長期視点で必要なMVVをチームで議論し、共有し、大切にできるチームができるのではないか、という仮説です。