2022.07.16

ミーティングなのかトークなのか。議論なのか対話なのか。課題解決フェーズなのか課題設定フェーズなのか。

NOKIOO内で展開されるミーティング・会議の冒頭ではザッソウタイム(雑談・相談の略称。気軽に何でも話していいよのタイミング)が設けられいる。
僕が会議オーナーで主導役のミーティングでは、ミーティングの冒頭に「この1週間の活動の共有や気になったこと、振り返り」のタイミングが設けられて、参加者を1週グルっと回すことが多い。
 
 
これをやることの意味を、今回言語化しておきたい。
 
初対面やまだ関係性の浅いチームメンバーや初期のチームであれば、アイスブレイク的な意味合いや場のムード・心理的安全性を作るための位置づけで、プライベートのことも含めた何でもありの雑談でもいいのかもしれないが、ある程度立ち上がってきているチームや定期ミーティングで単なる意図のない雑談はビジネスミーティングでは意味が薄いと思っている。
※意図のない雑談はラウンドロビンランチや、全社ミーティングのブレイクアウトセッションが適した場所だと思って、そんな取り組みを設定しているので。
 
 
このミーティングの冒頭の在り方からは一旦話しは離れて、ミーティング自体の内容や在り方はどうだろうか?ミーティングは限られた時間の中で成果を出して、その後のビジネスを前進させるためのものだから、アジェンダが設定され、関係者でそのテーマについて議論を交わし、共通認識と合意形成を作って、ミーティング散会後に、それぞれがそれぞれの役割で仕事を前進させることを後押しするものでありたい。だから、アジェンダ(テーマ設定、論点設定、課題設定、イシュー設定)がされて、その課題をみんなで解きに行く時間なのだと思う。解くための論理展開を参加者で描き、解くために必要な情報や前提条件を合わせ、結論を導いていく。これができて初めて、ミーティング内容・結論がイシューの解決につながり、各々の仕事が大きく前に進んでいく。
 
 
まあ言われてみれば当たり前のことなのだが、設定されたアジェンダ(イシュー)がしっくりなくて、そもそも論が展開されたり、課題認識が参加者で異なったりで、参加者で一緒に説くための論理展開を描くところまでとてもたどり着かないケースもよくある。
 
 
これはミーティングで課題解決に入る前のフェーズでの対話や景色合わせに問題があると思っており、これを回避するために冒頭紹介した毎回のミーティングの冒頭にあるザッソウや「1週間の振り返り共有」があるという認識だ。
 
 
ミーティングチームにおいて解くべき課題は、チームメンバーで共通の課題意識が形成されたタイミングにアジェンダ設定されるのがよいタイミングなのであって、早すぎてはいけない。早すぎてはその課題が上がってきた背景・文脈が理解できていなかったり、その課題を解くことがそれぞれの仕事にどうポジティブな影響を及ぼしていくのかをチームメンバーが理解できていない。つまりそのテーマが共通の課題として認識されていないのである。
 
だから、そのタイミングが熟してくるまでは、課題設定につながる、気づくための情報共有や具体的事象の共有、課題につながるかもしれない情報・経験の共有を対話しながら、課題の探索をメンバーと一緒にする必要がるわけで、僕はこれを「真面目な雑談」と読んでいる。「真面目」であるのは、あくまでも自分たちのビジネスを前に進めるためにある雑談であるし、雑談参加メンバーの根底にあるマインドとしては、ここまで述べてきた解くべき課題探しの意識が働いているからだ。
 
ミーティングが上手くワークしない、議論がかみ合わない、アジェンダ設定されたがそのアジェンダに対しての議論が進捗せず、そもそも‥‥的なミーティングになるケースがあるのは、こうした事前の「真面目な雑談」=対話フェーズが足りてないからではないだろうか。
 
 
ここ数か月、僕は既存事業であるクライアントワーク事業部の若手メンバーのミーティングに参加したり、そのミーティングをリードするシーンも多く、若手メンバーのミーティングやザッソウが効果的なそれであるにはもう1歩な感じがしてならなかったので、こんなスライドを作って説明をさせてもらった。
 
 
 
 
説明を受けたメンバーの一人の日報からは「これまでミーティングの冒頭のザッソウって何話せばよいのか、これをすることでどうなればいいのかよくわかっておらず、気持ち悪さがあったが、意味が良く分かった」的な書き込みもあったので、理解をしてくれたと思う。、今の対話・今の議論は課題設定フェーズ(対話フェーズ)なのか、課題解決フェーズ(議論フェーズ)なのかの共通意識をもってメンバーとのビジネスコミュニケーションは臨んでいきたい。
 
 
 
2,3年前はこんなかたちで言語化やスライド化はできていないかったが、当時は、役員ミーティングと役員トーク、事業部ミーティングと事業部トーク、と敢えて同じメンバーを招集するミーティングでも名称を変えて招集していた。
前者はアジェンダ設定あり、後者はアジェンダ設定なしのフリートーク。こ
れも同じ意味合いでやっていたのです。当時参加していたメンバーの皆さん、数年遅れですが、そういう意味なのです。そんな感じの意味合いは説明したけどね!
 
 
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