2021.05.15
全社セッション「REVISION」
ゴールデンウィーク明けの5月7日に丸一日をかけて全社セッション「REVISION」を行いました。
普段はテレワーク・オフィスワークをハイブリッドに使いこなしながら、デジタル上でつながって協働を進めていくNOKIOOメンバーを物理的に一堂に集め、普段のディスプレイからのテキスト・映像・音声以外から入ってくる情報を感じることで、自分たちの会社やチームを理解すること、それから自分たちの理念・Wayと今年定めたミッション・ビジョン・バリューを理解し、議論することを目的としたセッションです。
本来なら大分から、岡山からのフルリモートメンバーもリアル会場に足を運んでもらう予定でしたが、コロナ感染拡大状況からリアル会場での参加は断念となったのは残念でしたが、それでも我々お得意のオンライン・オフラインハイブリッド運用をその場で実現させ、難なくオンラインで参加をしてもらいました。名古屋・静岡市メンバーはリアルで参加。実に初対面の名古屋メンバー田村里奈さんと、育休からの復帰が11月でその時以来の静岡市メンバー海野さんにもリアルで会うことができました。
過去を振り返ると、こうした会社の在り方や将来、ビジョンを一緒に語り、言葉や形にしてみることは、随時やってきたつもりではありますが、ここ数年の全社セッションとはだいぶ様相や醸し出す当日の空気も変わってきたことを感じた全社セッションでした。
その後も2019年6月、2020年1月にも同様の全社セッションは事業計画発表などとあわせて実施をしています。
この過去の全社セッションを思い返すと、ほぼ僕が一人でコンセプト設計からコンテンツ作り、当日配布物の準備、当日ファシリをやっていて、前日なんかは何か徹夜っぽくなっていたなあ、と振り返ると、今年はこうした取り組みに組織的に向き合う経営-ブランディングチームも立ち上がり、ブランディングディレクターの河野さんがこの「REVISON」の計画立案から、コンテンツ設計、事前課題設定や当日配布物の準備などを経営メンバーとディスカッションを繰り返しながら進めてくれ、とても頼もしかった。
当日配布資料には僕を含め取締役の中原さん、小田木さんからも大事なメッセージがありましたので、こちらに転記、ご紹介します。
僕からのメッセージ:
想いが全てのスタート。
どう在りたいか、どうなりたいか、どんな世界を作りたいか、その時、自分やNOKIOOはどんな状態か。
そんなことを「想う」ことが全ての起点になると思っています。
これまでNOKIOOは外からの押し付けのイメージや価値観ではなく、何が大事で、どうなりたくて、何ができそうかを自分たちで考えることを大切にしてきました。今日のREVISONにあたって事前に配布されたNOKIOOの歴史を見て、それを感じることができたのではないでしょうか。
REVISONでは未来志向で皆さんの未来に対する「想い」を大事にし、大いに在りたい姿を語っていきましょう。
REVISON後にある日々の業務に対して、こうした想いを込めることが、それぞれの業務の見え方、取り組み方を変え、そして将来のNOKIOOや皆さんの姿をかたち作っていくと思います。
ポジティブな想念を持つことでポジティブな未来を引き寄せる。
心即理。
中原さんメッセージ:
毎日の業務に集中してる中で、年に数回は視線を上げて「自分の仕事って何のため?」「自分の今は、未来のどの部分につながる?」「会社と自分の共感ポイントってどこだっけ?」など、仕事と自分の立ち位置を俯瞰してみるのもよい機会だと思います。
今回は特に愛社精神(笑)を期待してるわけではありません。楽しい仕事がしたい、楽しく働ける自分が好き、それができるのがNOKIOO。その基本を感じられる1日になるのでは・・・。
期待して参加して欲しいと思います。
小田木さんメッセージ:
新しいMVVが言葉になったとき、これまでNOKIOOでやってきたことや経験してきたことに意味づけがされ、これから向かう先の視界が晴れたような感覚になりました。
一方で向かう方向は同じでも、動機の持ち方はひとりひとり違うと思います。だからこそ、一緒に走る仲間の動機を知りたいし、その動機の根底にある価値観を聴きあってみたいと思っています。多様なメンバーが集まりながら、MVVがこれからのNOKIOOの求心力になって力が発揮できる、そんな実感の持てる時間を今日は一緒につくっていきたいです。
午前中はこのNOKIOOの10年間の歴史を振り返り、起きてきたこと、経験してきたことがどんなことだったか、その中から紡ぎだしてきた“NOKIOOらしさ”や大事にしたい在り方、自分たちが社会から顧客から何を期待され・何を要請されているのかを考え、そして新しく定めたミッション・ビジョン・バリューを僕から話をさせてもらいました。
その後、「スピリットセッション」ということで、各メンバーが考える「大切にすべき精神」や「NOKIOOの強み」といったことを考え、グループワークを行い、共有して全体でディスカッションをするというセッション。
午後からは、事業とMVVを紐づける「バリューセッション」ということで、各事業が描く未来の姿に対して、それを実現するために未来に作りたい実例や価値、体験、パートナー(顧客)などを同じくグループワークと全体ディスカッションで進めていきました。
僕は午後以降は議論の中心はメンバーに委ね、外部メンバーとして参加いただいた沢渡あまねさんや丸山祥子さんにファシリテートをお願いし、少し外から様子を見つつ、時々考えや意見を投げ込むということにさせてもらったのですが、その間、そしてセッション終了後にいろんなことを僕自身も感じたので、それをいくつか紹介します。
●会社としてモヤモヤ耐性がずいぶんついてきた。こういうインナーブランディング活動は、抽象度の高い話も多く、メンバーの中に、チームの中にだいぶモヤモヤが残ったり、分からないこと、スッキリしないことも多々あるのだが、そういう状態を受け入れ、そういう感情と同居し、安易に分かったと言わずに議論し続ける、考え続けることができるようになってきた。
午前中の僕のMVVプレゼンでも“NOKIOOらしさ”ということで以下のことを伝えたのだが、まさにそんな状態になってきているということをあらためてセッションを通して思った。
安易に世に示されている成功法則、セオリーみないたものを信じないというか、わかった気にならないのがNOKIOOらしさだと思う。これは浜松という地で事業をやっているという理由もあるのかもしれないが、東京のように成功体験のような飛びつける情報がたくさんあるところではなく、かつ自分たちの出自も大きな成功体験を持っているわけでもない平々凡々な人の集まりであったことが奏功しているのかもしれない。自分たちで考えて、やってみて、本質に近づこうと努力し、そして結果的に世の中で言われている抽象論と近しいことに気づくことが過去にもよくあった。例えばデザイン思考とか、UXとか、テレワーク、ワーケーションとか。そういう考え方が必要で、それを実践することが大事だよね、と気が付くと、実はそれに関するコンセプトが少し世には出てきている…みたいなことである。NOKIOOの10年間はまさに試行、失敗、議論、抽象化、展開、再理解と再結晶化させる抽象化を繰り返してきた10年間だったと思う。
●会社の歴史を紐解き、それを現メンバーに伝え、過去の出来事から何が抽出されてきて来たかを共通認識することの大切さ。なぜ今この事業を行っているのか、なぜこういう働き方や制度があるのか、そしてなぜこういうミッション・ビジョン・バリューが定められたのか?これはこうした過去からの文脈と組織学習の上にあるものである。会社として定期的に過去を振り返り、記録を残し、それを現時点のメンバーに伝えることで過去と現在を紐づけることが大変重要ということ。
●フィジカルな場での宣言や数字が残すインパクト。今回の「バリューセッション」では、各事業の中期事業計画のプレゼンテーションもあったわけだが、新規事業の5年後に実現させている売上数字を聞いて、一瞬会場が仰け反った。そのプレゼン後は、この数字を中心において会場での全体ディスカッション、質問や議論の双方向なやり取りがあった。実はこの数字は今期の経営方針書のあるページにも近しい数字は載っていたのであるが、メンバーの頭には強くインプットされていなかったのだと思う。こういうフィジカルな場で、グッとメンバーの集中を集められたことによって、この数字は全てのメンバーの頭にインプットされたに違いない。それも今回の成果であるし、メンバーの一人が後日の日報で、『(全社セッションからの帰り道に)・・・・ふと「どうするつもりなんだろう」ではなく、「どうしていけばいいのだろう」という思考になっている自分に気づきました。』と言っていたことが非常に頼もしい。
●ほぼ全てのセッションが1:Nで一方向性の情報伝達・プレゼンテーションではなく、N:Nでインタラクティブな議論や意味の確認であった。このこともこうした全社セッションを、より意味あるものにしていくことであることを体感した。そういう空気を作り続け、こういう場でそれが実現される設計、マネジメントをすることの重要性に気が付いた。これは普段から経営者がどういう空気を作り、組織文化を醸成していくかであって、全社セッションの時のみにそういう空気を作ることはできないのだろう。ということは、この後も常にその空気を維持・向上させていくことがとても大事である。
●全セッション終了後のクロージングにて、全メンバーに3分ほどの一人シンキングタイムを渡し、その後、全てのメンバーがチェックアウトということで、感じたこと・考えた事・モヤモヤしていることを発言してもらった。そこでの発言内容が僕の思った以上に高い視座で、事業のこと、会社のことのレイヤーでの発言が多かった。メンバーからあがったいくつかの論点はまさに経営視点での論点として解いていかなければならいものがあり、まさにメンバーそれぞれが経営視点で物事を考える機会になったという確信を感じた。
●そして、翌週からの社内での各種ミーティングや1on1など、様々なミーティングの場と、各メンバーと役員との1on1の場でREVISIONを経たうえで出てきた論点や、モヤモヤに対するディスカッションが行われていたり、毎週月曜日の全社ミーティングでの進行当番の3分スピーチで、鈴木大智さんがREVISON後の週末に思考したことも含めて自身が考える理解や論点を披露している姿もあった。
各自が自分事に引き寄せようとして考え続けることが、日常の業務に近いところで動き始めたことをうれしく思っている。
最後に今回のREVISIONにおいて設定したグラウンドルールを共有します。今回のREVISION実施にあたっての先述のディレクター河野さんが設定し、REVISION開始時に全メンバーにその思いを含めて共有してくれました。
まさにこの
「どうありたいか」
「Yes,and」
「大胆にいこう」
が実現できたのではないかと思う。