2024.09.16
Serious fun!~真剣にやるからこそ、本当に面白い。
今期のNOKIOOの社内的なスローガンは
「Serious fun!~真剣にやるからこそ、本当に面白い。」
今期も第4クォーターに入り、残すところ2か月半ぐらいとなりましたが、このSerious fun!な状態を実現させるために、今年度、NOKIOOが組織的に取り組んできたこと「MMOT」をこちらで紹介しようと思います。
「チームで成果を上げるためのチームワーキングスキル」として、他の組織にも参考になるのではないかと思っています。
「私のチームで取り組んでみたいのですが、、、」というご希望あればご連絡ください。トライアル的な提供もしてみたいと思います。
まずは「Serious fun!」について。
これは今期期初の経営方針書で示した今期のNOKIOOのチームテーマです。
チームであげる成果について、貪欲に、意欲をもって真剣に取り組むこと。仕事と成果に真剣に向き合い、それをチームの空気として実現し、それゆえに仕事のやり方が変わったり、精度が上がったり、成果につながってくる。そうしたスタンスでやるからこそ、本当の面白さが見えてくる。真剣に噛めば噛むほど味が出てくるような感じで。
またこれまでの経営で力を入れてきた活動とのつながりで、このスローガンの位置づけを語るのであれば、経営戦略の真ん中に組織開発を置き、組織的の強さをベースにして事業成長を実現しようと、まずこだわっていたのはチームメンバー間の信頼関係、関係性でした。要するに心理的安全性が高く、関係性の質の高いチームを作ることに腐心してきており、一定そのベースラインは作れてきたのだから、それをベースに思考の質、行動の質をあげて、成果の質につなげていきたいという意図もスローガンの背景にあります。
※経営方針書該当ページより
そんなserious fun!な状態を作るために掛け声だけで、具体的なhowが無ければ精神論・根性論になってしまうので、社内には具体的howとして「MMOTスキル」を導入していくことに取り組みました。
MMOTはこちらの「マネジメントの正念場」の書籍を参考にしています。
MMOTのエッセンスは、組織の中にある事実(現実に起きたこと)をマネジメントでどう扱い、事実をベースに組織的な認識合わせと組織学習を進め、自分たちの仕事のやり方やその根底にある判断軸、マネジメントシステムやオペレーションシステムをより良くするために、チームで起きている事実に向き合い、なぜそれが起きたかを明らかにし、チームとしてのアプローチを定めていくことだと理解しています。
書籍の中では、
チームの中で“真実”を正しく取り上げ、扱い、 “真実”からチームで学びを抽出して、よりチームパフォーマンス に繋がる行動・方法に転換していくマネジメント手法
と解説されています。
そしてMMOTとは、マネージャーの正念場(MMOT:Managerial moment of truth)を略した言葉で、マネージャーが現実に起こったことを無視 するか直視するかの選択を持つ場面を指しています。
今年の4月に開催された全社セッションでは、このMMOTに対する理解を全社員で深め、ロールプレイでMMOTが実践されるチームミーティングの場を体感し、MMOTを実行するにあたってのポイント、越えなければならない心的障壁、MMOTを実行するうえでの必要なスキルの確認をするとともに、自分たちの仕事のどのシーンでMMOTが使えそうなのかを共有するような時間を作りました。
※全社セッションの時の様子です
仕事を進めていくうえで組織の中、仕事に関わることで起きていることを一人で全て情報を抑えることは出来なくて、正しく何が起きているのかの事実をとらえなければなりません。その時にそれをチームメンバーと一緒に事実を洗い出していき、現実を正しく共通認識でとらえ、それがどうして起きたのかを時系列で整理し、事実や、判断ポイント、判断の背後にあった解釈や思い込みを洗い出していき、その現実を発生させた要因・ポイントがどこにあったのかを明らかにしていき、そこからのチームとしての行動方針や、マネジメントの仕組み・活動に落とし込んでいきます。
文字面で書くと当たり前のことですが、これを日々の仕事をしながら、チームで立ち止まりMMOTを実践していくのは、それに対する必要性の共通認識と同意と、そのマネジメント手法に対する共通理解と、チームメンバー間のこのMMOTを実践する時のシリアスな時間に向き合える胆力が無いと成立しないと感じます。MMOTの場面は、まさにシリアスな時間で、ややもするとその仕事に関わっていたメンバーのイマイチだった行動・判断にも遠慮なく触れなければなりません。
でも、目的意識はチームのパフォーマンスをあげていくことが最上位におかれているので、そうした気持ち悪さがが出てきていても、誰かを責めたり、自分が責められているのではなくて、一緒により良くするために客観視してそれを論じるのです。(事実と感情の分離、強い目的志向、チーム内メンバーの信頼関係、こしたものが無いとこの場面はなかなか苦しいです。)
こんなチームマネジメントが経営主導ではなくて、現場現場のチームの中で発生していけば、きっと期初に定めた「Serious fun!~真剣にやるからこそ、本当に面白い。」を実現させる具体的なhowとなっていき、状態としてのSerious fun!になっていくのではないかと思って取り組んでいます。
ここぞ、という場面においては経営も介入して「●●の事象に対してMMOTをやろう」としてきましたし、少しずつ各チーム内・メンバー間でMMOTの実践がされ始めた幹事があります。
日報や社内コミュニケーションツール内を見ていても「MMOT」の言葉を見るようになってきたし、僕がメンバーとやる1on1でも、先日は「●●について、どんなMMOTやったんだい?そのアウトプットや、見えてきたものを教えてもらえないか」という会話が生まれて来ています。
自分自身も経営者という立場ではあるけど、うまくない判断や仕事の仕方があるわけで、MMOTの場面で自分のソレが出てくると、一瞬苦しくなるけど、組織学習とチームパフォーマンスのために“やる!”しかないですね。
NOKIOOが顧客との人材育成・組織マネジメントに関する議論をしている中で、最近こんな場面にも遭遇します。
「NOKIOOの示すスライドの「古いチームワーク」から「これからのチームワーキングへ」で表現されているように、ここ数年はそういうチームワーキングを目指して、自律分散的な組織を目指したり、ボトムアップ型、対話型、コミュニケーション重視などをしてきたけど、業績が落ちてきたから、今は左の以前のスタイルに戻しているんですよね。」とか。
「エンゲージメント、フラット、MVV、心理的安全性などのマネジメントキーワードに踊らされていろいろ取り組んできたし、その成果として職場は確かに変わってきた気がするのだけど、、、「で、何だっけ?」という状態なんですよね。」
それぞれの話を聞きながら思ったのは、
古いチームワーク、新しいチームワーキングに発展させてきたのであれば、以前に戻すのではなくて新しいチームワーキングのその先に何が必要なのかを考えてそこにチャレンジしたい。せっかく新しいチームワーキングが組織内に入り始めたのに、従来の指示・命令型やそれがしやすいように組織内の同質性を高める方に切り戻すのは何か違う。
ここ直近の組織マネジメントで頻出するキーワード。確かに大事だが、組織のグッドサイクルを回すうえで十分か?足りないマネジメントキーワードがあるのでは?という視点で、関係性の質の上がっているチームが、相互に思考の質を上げ、行動の質につなげ、チームパフォーマンスに上げるためのマネジメント手法、マネジメントキーワードに視点を移していきたい、と思います。
そこの接続がこのMMOTなのではないか?という仮説で、まずは自社組織での試行をしていますが、取り組み始めて約半年、少しずつ現場浸透し、経営陣がいなくてもMMOTをしている様子も見え始め、おそらく仮説に大きな外れは無いだろうと思いながら、他社のチーム作りにもご提供できるようにしたいと思っています。
トライアル募集中。Let's MMOT!