2020.06.05
仕事を棚卸しして「やめること」を決めよう~『職場の問題かるた』より~
みなさんこんにちは。
「働き方改革」「生産性向上」言えど叫べど、なかなか変わらない職場のどんより景色。
「どこから変える!?」「いつからやるの!?」たまるモヤモヤモ。みなさんも思い当たる節があるのではないでしょうか。
このコラムでは、NOKIOO顧問の沢渡あまね氏監修の「職場の問題かるた」(技術評論社刊)を使い、職場の「無理」「ムダ」「おかしい」について提言をお届けします。
<今回のテーマ>
か:「課長、早く帰らないかなぁ……」
出展:『職場の問題かるた』(技術評論社 作:沢渡あまね/絵:白井匠/CV:戸松遥)より
◆帰りたくても帰れない管理職
「自分の仕事はとっくに終わっている。でも、課長が居るとなんだか帰りにくい……」
いわゆる「つきあい残業」。
働き方改革の名目で、最近は減ってきたと聞くものの、いまだに文化として根強く残っている職場もあるそうです。また、こんな声もよく聞きます。
「つきあい残業、最近はなくなりましたね。わりと毎日定時で帰れますよ、非管理職はね」
これはどういうことでしょう。
つまり、若手や一般社員は定時で帰ることができる。人事部門や部門長から「部下を早く帰せ」と圧力をかけられるからです。
では、定時間内に終わらなかった仕事はどうなるか。
裁量労働性の管理職が残業して一手に引き受ける。これが常態化している職場もあるようです。
管理職も人間です。長時間労働が続けば、体にもメンタルにも不調をきたす可能性が高くなります。
また、いつも遅くまで引き取り残業をしている管理職を見た部下は「管理職にはなりたくない」と思うようになるのではないでしょうか。
管理職が長時間労働や休日出勤を常態化している状態は、先々を考えてもアンヘルシーなのです。
ここには2つの問題を、可能性として見てとることが出来ます。
(1)チームの仕事量が多すぎる(あるいは仕事のやり方に問題がある)
(2)管理職の仕事が多すぎる
この2つに、それぞれ正しく向き合いましょう。
◆チームの仕事を棚卸しして、「やめること」を決めよう
まずは、チームの仕事をみんなで洗い出してみましょう。ホワイトボードに書き出すでも、共通フォルダにワークシートを作って一覧にするでも構いません。
そうして、「やめられる」仕事を決めてください。課長がトップダウンで決めてもいいです。
やめられる仕事が見つからなければ、このような対応策をとり、今よりマシな状況を作るような方向性を決めましょう。
・頻度を減らす
・対応する日を決める(即時対応しない)
・自動化する
・標準化して誰でも出来るようにする
・外注する
また、「得意な人」「やりたい人に任せる」も良い選択肢と言えるでしょう。
人は、得意な仕事や好きな仕事をしているときの方がモチベーションも生産性も高いと言われています。ただし、特定の人に仕事が集中しないよう調整も必要です。
◆管理職こそ仕事を棚卸しして向き合い方を決めよう
続いて目を向けて欲しいのが、管理職の仕事。さすがに、人事評価などは管理職がやるしかないですが、管理職が抱えているプレーヤーの仕事や、マネジメントの仕事など意外と他の人がやったほうが効率いい場合もあります。
・定例会議の司会進行
・予算計画
・他部署との調整
・戦略策定業務
・育成、教育
・進捗管理
・部内コミュニケーション活性
・業務改善の旗振り
たとえばこれらのマネジメント業務は、管理職でなくてもできるでしょう。
無理に一人の管理職が抱えて回らない/うまくいかないくらいであれば、他の管理職と分担する、あるいはチームメンバーで分担してチームでマネジメントできるようにすれば良いのです。それ自体が、部下の育成になる場合もあります。
「課長がいつもいっぱいっぱい、でも何に忙しいのか分からない」
「部下の私たちに振ってくれればいいのに……」
こう思って、モヤモヤしている部下もいます。思い切って、部下にヘルプを求めてみてはいかがでしょう? そのためには、管理職自身が自分の仕事を説明可能な形で言語化する必要があります。
テクノロジーのめざましい発展、社会環境の変化、価値観の多様化。時代はどんどん複雑化しており、それゆえ管理職一人で解決できないマネージメントテーマも増えてきました。チームで分担して、チームで乗り越える。そんなヘルシーな組織を作っていきたいものです。
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『職場の問題かるた』
べストセラー『職場の問題地図』から生まれた、働き方改革の最終兵器。
みんなが思っている、けれどなかなか口に出せない職場の問題を「あ」から「ん」までのかるたにした職場に常備しておきたいコミュニケーションツールです。
▼職場の問題かるた特設ページ
http://gihyo.jp/book/sp/karuta/shokuba
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