2020.06.03
移動の罠。「仕事した感」に要注意~『職場の問題かるた』より~
みなさんこんにちは。
「働き方改革」「生産性向上」言えど叫べど、なかなか変わらない職場のどんより景色。
「どこから変える!?」「いつからやるの!?」たまるモヤモヤモ。みなさんも思い当たる節があるのではないでしょうか。
このコラムでは、NOKIOO顧問の沢渡あまね氏監修の「職場の問題かるた」(技術評論社刊)を使い、職場の「無理」「ムダ」「おかしい」について提言をお届けします。
<今回のテーマ>
え:遠路はるばる、行ったり来たり
出展:『職場の問題かるた』(技術評論社 作:沢渡あまね/絵:白井匠/CV:戸松遥)より
出張や事業所間の移動もたまにならば、適度な気分転換にもなって良いかもしれませんが、頻繁なのは考えものです。
今回は、昨今話題になっている移動の問題です。
◆移動は仕事??
営業職など仕事に移動が多い人ほど、移動時間も「仕事をしたつもり」になってしまいがち。でも、じつはその時間、何も生んでいないのではないですか?
移動の罠。それは「仕事した感」です。
東京~大阪など、ある程度時間がかかる移動であれば(かつ飛行機や新幹線の指定席などプライベートな空間が確保されている環境であれば)その限りではないかもしれません。
しかし、短時間の移動や、満員の通勤電車での移動は「浪費」にしかなりません。
移動がなければ、その時間、ほかの仕事ができたのでは?
Webを活用すれば、その分、営業時間に充てられたのでは?
はたと気づくこともあるのではないでしょうか。
移動による「仕事した感」には要注意です。
◆スイッチング・ロスにも気を付けて
移動の問題は、環境を切り換える、すなわち、スイッチングすることによる損失も見逃せません。
具体的にはどんなことがあげられるでしょう。
・出かける準備にかかる時間や手間
・現地に到着して執務スペースを探す時間や手間
・現地でノートパソコンをネットワークに接続する時間や手間
また、スイッチングにより、このような手戻りまで発生させます。
・思考が分断される
・それまでやっていた作業のリズムが崩れる
・それまでやっていた作業の進捗を思い出せない
スイッチングに使う時間があれば、コーヒーの一杯でも飲むほうがリフレッシュになり、よほど健康的かもしれませんね。
◆相手の時間も奪う移動問題
恒常化した移動は生産性を下げるのみならず、多くのロスを発生させます。
ましてや、相手に移動を当然のごとく要求するのはさらに考えもの。
あなただけが困るならまだしも、相手の時間をどんどん奪います。
・移動を伴う会議や打ち合わせの頻度を減らすことができないか?
・Web会議や電話に代替できないか?
移動をしなくても、代替案はあります。
まずは手始めに、
「リモートでもOKです」
「Web会議にしましょう」
こんな一言から発してみてはいかがでしょうか?
◆職位が高い人ほど移動に敏感になって!
職位が高い人ほど、移動に伴うロスに敏感になりましょう。
それはあなたが不在にしている間、多くの人(部下やお取引先など)の時間を奪いがちだからです。
「業務報告ができない……」
「相談したいのに……」
「決裁してもらえない……」
あなたが忙しく移動して「仕事した感」に浸っている間、周りの人は「仕事が進まなくて困っている」かもしれません。
ビジネススピードは働く人たちのモチベーションにも影響します。
頻繁な移動は、生産性を下げ自身も周りも消耗させます。
移動を減らす方法。あるいは、移動しながら、あるいは移動先でも仕事が滞らないようITを積極的に活用していきましょう
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『職場の問題かるた』
べストセラー『職場の問題地図』から生まれた、働き方改革の最終兵器。
みんなが思っている、けれどなかなか口に出せない職場の問題を「あ」から「ん」までのかるたにした職場に常備しておきたいコミュニケーションツールです。
▼職場の問題かるた特設ページ
http://gihyo.jp/book/sp/karuta/shokuba
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