2020.05.19
「言った言わない」は仕組みで解決~『職場の問題かるた』より~
みなさんこんにちは。
「働き方改革」「生産性向上」言えど叫べど、なかなか変わらない職場のどんより景色。
「どこから変える!?」「いつからやるの!?」たまるモヤモヤモ。みなさんも思い当たる節があるのではないでしょうか。
このコラムでは、NOKIOO顧問の沢渡あまね氏監修の「職場の問題かるた」(技術評論社刊)を使い、職場の「無理」「ムダ」「おかしい」について提言をお届けします。
<今回のテーマ>
い:言った言わない、今日もまた
出展:『職場の問題かるた』(技術評論社 作:沢渡あまね/絵:白井匠/CV:戸松遥)より
◆「言った言わない」のさまざまなデメリット
「あれ、僕、言ったよね?」
「いえ、聞いていません」
「そんなハズないと思うんだけれど……」
職場での言った言わない。思い出すだけでイや~な気持ちがします。
上司と部下のやりとりだけではありません。同僚同士、部署間、対お客さん、対お取引先……「言った言わない」は多様な相手との間で発生し、仕事の手戻りだけでなく、さまざまなデメリットをもたらします。
①リスクヘッジのための仕事が増える(チェック業務、リカバリーのためのバッファ(余裕しろの時間)確保)
②信頼関係がなくなる
その場の仕事だけではなく、中長期の関係性において悪影響をもたらすのです。
さらに、「言った言わない」が頻繁におこる相手とはコミュニケーションコストやリカバリーのためのコストがかかります。
すなわち、
③コストが上昇する
例のあの人と込み入った交渉をする前は、深呼吸。相手が提示した要求に納得いかないなら、なぜ納得いかないか冷静に振り返ってみましょう。
仕事のやり方に問題があるのでは? 「言った言わない」により相手を振り回していませんか?
「言った言わない」で揉めている間、リカバリーする時間は何も生みません。すなわち、機械損失でありコストなのです。
◆気合と根性で乗り切れる!?
「よし、これからは言ったことを忘れないように気をつけよう」
その意気込みは素晴らしいですが、それで本当に解決するでしょうか?
人は忘れる生き物です。「気をつけよう」のような、人間の気合いと根性に依存するには危険。ここはぜひ、仕組みで解決する方法を考えましょう。
その仕組みとは「書き残す」こと。
非常に原始的なやり方に感じられるかもしれません。しかし、「書く」「記録する」が「言った言わない」への最大の防御。
・メールで書く
・ビジネスチャット(Teams/Slack/LINEWORKSなどが有名)に残す
・議事録に残す
・付箋に書いて貼る
どんなやり方でも構いません。やりやすい方法で、記録する習慣あるいは業務プロセスに変えましょう。
「そんなことイチイチ、メールで言うなんて邪魔くさい。直接話せばいいだろう」
確かにその場にいる相手には直接話すのが手っ取り早いです。しかし、口頭のやり取りは大きなリスクも伴います。
お客様窓口やコールセンターなどの窓口では「悪質なクレーマーほど、口頭で済ませようとする」という調査結果や経験談もあります。
・電話対応や口頭対応をやめる
・通話を録音する
など仕組みで解決したいもの。最近では会話をテキスト化してくれるツールもあります。音声情報を文字情報に変え、共有しやすく参照しやすくするのも良いでしょう。
直接話せ。しかし、それで終えてしまうから「言った言わない」のトラブルが後になって発生します。記憶も属人化する。
書き残す=中長期を見すえた仕事のやり方です。マネジメントとは中長期を見据えた、健全な仕事のやり方をすること。よって、大切なことは、後からでも書き残しましょう。
「言った言わない」は相手との関係性において「モヤモヤ」を生みます。そして、「モヤモヤ」は生産性やモチベーションの敵。仕組みと工夫で、「モヤモヤ」を減らし、ヘルシーなコミュニケーションをしていきましょう。
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『職場の問題かるた』
べストセラー『職場の問題地図』から生まれた、働き方改革の最終兵器。
みんなが思っている、けれどなかなか口に出せない職場の問題を「あ」から「ん」までのかるたにした職場に常備しておきたいコミュニケーションツールです。
▼職場の問題かるた特設ページ
http://gihyo.jp/book/sp/karuta/shokuba
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