2020.05.18
なぜ挨拶をしたほうが良いのか?~『職場の問題かるた』より~
みなさんこんにちは。
「働き方改革」「生産性向上」言えど叫べど、なかなか変わらない職場のどんより景色。
「どこから変える!?」「いつからやるの!?」たまるモヤモヤモ。みなさんも思い当たる節があるのではないでしょうか。
このコラムでは、NOKIOO顧問の沢渡あまね氏監修の「職場の問題かるた」(技術評論社刊)を使い、職場の「無理」「ムダ」「おかしい」について提言をお届けします。
<今回のテーマ>
あ:挨拶のない、残念職場
出展:『職場の問題かるた』(技術評論社 作:沢渡あまね/絵:白井匠/CV:戸松遥)より
◆挨拶は「あなたの存在を認めているよ」のメッセージ
人はみな、「存在承認欲求」を持っています。自分の存在を他者から認めてもらいたい欲求です。
挨拶は、相手の存在承認欲求を満たす基本的でシンプルな行動と言われています。
もし、出社して誰も挨拶してくれなければ…。あなたは寂しさを感じませんか?
それは自分の存在を認知されていないと感じるからです。やがて、自分が軽く見られていると思うようにも。そんな相手や組織に、あなたは愛着を感じることができるでしょうか?
◆「だったら、挨拶運動をしよう!」…ちょっと待った!
挨拶の強制は逆効果です。お客さんと接する時ならともかく、毎朝、不自然な笑顔や大声で紋切り型の挨拶をする職場…。なんだか気持ち悪くありませんか? 挨拶の強制は義務でしかなく、やっている本人たちも、やらされ感しかないでしょう。
ではどうすればいいでしょうか。
・上に立つ人が率先して挨拶をしよう
まずは上に立つ人が率先して周囲に挨拶をしましょう。それは、あなたが部下や外注さんに対して、見ているよ、気にかけているよという何よりのメッセージです。
「部下が報連相をしてこない!」
と言って苛立つ管理職がいますが、あなたが挨拶すらしないのに(あるいは部下が挨拶しても無視するのに)、一方的に相手に報告や相談を求める。それは虫が良いというものです。 警備員や清掃員にも進んで挨拶している経営者をみかけると、とても清清しいもの。
「この会社のトップは見えない仕事をしている人をきちんと見て、リスペクトしてくれるのだな」こんな安心感も生まれます。
・コミュニケーションの手段を変えてみよう
挨拶が苦手な人もいます。声を出すのが苦手。アガリ症。朝は血圧が低くて元気が出ない。
そういう人たちを「挨拶をしないやつだ!」と頭ごなしに叱るのはいかがなものでしょうか? ますます心が離れていきます。
対面のコミュニケーションがちょっと苦手という若者もいますが、彼らはチャットなど非対面のデジタルツールではフットワーク軽く情報発信してくれたり、気軽に応じてくれる場合もあります。
・チャットやグループウェアを導入してみる
・Slackなど若者が使い慣れたツールを認める
いまの時代、コミュニケーションの手段も多様化しています。対面にこだわるのは損失です。
◆挨拶がうまれるきっかけ作りも大事
・休憩スペースにソファを置く
・オモチャやお菓子を並べてみる
こういった、ちょっとした景色の変化が自然な挨拶や対話をうまれやすくするきっかけになります。この「職場の問題かるた」を置いて、昼休みにやってみるのも良いかもしれません。
私たちはコミュニケーションの問題を、「挨拶運動」のような制度や、個人のスキルやメンタリティでなんとかしようとしがちです。しかし、スキルやメンタリティは人それぞれ。経営者や管理職だって人間。コミュニケーションが苦手な人もいるでしょう。であれば、環境や仕掛けで自然とコミュニケーションがうまれるようにすれば良いのです。気合と根性でナントカしようとしない。それもマネジメントです。
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『職場の問題かるた』
べストセラー『職場の問題地図』から生まれた、働き方改革の最終兵器。
みんなが思っている、けれどなかなか口に出せない職場の問題を「あ」から「ん」までのかるたにした職場に常備しておきたいコミュニケーションツールです。
▼職場の問題かるた特設ページ
http://gihyo.jp/book/sp/karuta/shokuba
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