2019.12.03
ミライの働き方2019〜企業価値を高める本当の働き方改革〜研修レポートVol.3
2019年11月6日(水)、あいホール(浜松市男女共同参画・文化芸術活動推進センター)にて、「ミライの働き方2019~企業価値を高める本当の働き方改革~(以下、「ミライの働き方2019」)」を開催しました。
「ミライの働き方2019」は、浜松市が主催する「ワーク・ライフ・バランス等推進プロジェクト」の一環です。組織開発やワークスタイルの専門家である沢渡あまねさんを講師に招き、実践的な働き方改革の手法を学ぶ、全5回の研修プログラムとなっています。
第4回は「リーダーのためのコミュニケーション・スキル~『話し下手のための雑談力』に学ぶ~」をテーマに研修会を開催。21名の受講者はABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)を通して、コミュニケーション・スキルと業務改革の知識を学びました。
本レポートでは、研修会の内容をお伝えしていきます。
1.アイスブレイク:私のコミュニケーション・スキルと組織のコミュニケーション課題
今回の研修では、4~5人のグループに分かれてグループワークを中心に行いました。
本日のファシリテーターである小田木(株式会社NOKIOO)より、当研修で使用する書籍「話し下手のための雑談力」の紹介がありました。
「話し下手のための雑談力」著者は、「ミライの働き方」セミナー講師でもある沢渡あまねさん。
「雑談は仕掛け8割、スキル2割」と言う沢渡さんが、雑談が生まれるような職場の仕掛けづくり、仕組みづくりのポイントを書いた本です。
グループでの自己紹介のあと、アイスブレイクを2つ行いました。
まず、職場でのコミュニケーションについて「必要性があるか」「できるか」「したいか」を◎・△・×で書き出して、グループ内で共有します。コミュニケーションに自信のある人はあまり多くなく、すべての項目に◎をつけたのは、参加者のうち1名のみでした。
次に、職場のコミュニケーション課題を自分、チーム、組織の視点で書き出し、グループ内で共有しました。それぞれが抱える職場の課題について話し合い、多くのグループが共感し、盛り上がりました。
2.ABDとは
続いて、いよいよABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)を実践してきます。
ABDとは、1冊の書籍を分担して読み、内容を要約し発表することで、要約力・プレゼン力・対話力などのビジネススキルを磨きながら、内容を理解し深めるというものです。
<ABDの進め方>
1.担当パートを決める
2.内容をB5用紙4枚でまとめ、サマリー(要約)を作成
3.順番にサマリーをプレゼンテーション
テーマ書籍:「話し下手のための雑談力」沢渡あまね 目次
3.ABDの実施
説明のあと、さっそくサマリーの作成にとりかかりました。
与えられた時間は約1時間。参加者は黙々と作業をし、できあがったサマリーを順番に壁に貼り出していきました。
貼り出し完了後はプレゼンテーションです。プレゼンを聞いていて、気になったことや印象的だったことは各自付箋にメモをしながら進めていきます。ABDの公式ルールということで、プレゼンを終えると、ハイタッチで発表者を交代していきます。和やかな雰囲気でプレゼンは順調に進み、全パートのプレゼンを終えた後には、参加者は、自分の要約とプレゼンが無事済んだこと、丸1冊の本の内容をおおよそ把握することができたことに達成感を感じているようでした。
4.まとめ「それぞれの組織・職場にあった雑談の形・仕組み」
ABDのプレゼン時にメモした内容をグループで話し合い、疑問点や考えたことを共有しました。そもそも雑談の効果に懐疑的だった人も少なくなく、「心理学的安全性が担保される」「ホンネが言いやすくなる」「生産性が上がる」「問題解決のスピードが上がる」「問題解決のスピードが上がる」「ハラスメントを予防できる」といった効果があることを知り、自身から雑談を仕掛けていくことの大切さや、職場の環境の整備について大いに盛り上がりました。
今回学んだ内容をふまえて、自分や自分の職場でどのような取り組みをしていくかを考え、共有しました。管理職や人事部といったそれぞれの立場からこれから実践したいことを話し、お互いに刺激を受け、やるべきことをより具体的に認識することができました。
ABDを取り入れた今回の研修は、サマリーの作成やプレゼンといったアウトプットが多く、グループでの話し合いも盛り上がり、満足感のある研修となりました。
参加者の声
・雑談の効果や取り入れ方について、とても深く理解できた。
・雑談から生まれる効果を知れた。 それが職場環境を変えられるかも?と思えた。
・雑談の重要性を再認識できたこと、進行中の職場の大きなレイアウト改革にも参考になった。
・雑談の持つ価値が理解できた。個人として、また、組織としてどう雑談を活用するかのアイデアをいただけた。同じグループの人の発言からも学びが多かった。
・ABDを初めて体験しました。会社に戻って実施してみたいと思います。聞くだけ(聞いてない)会議の時間よりもより有効だと感じました。
全5回にわたって開催してきました「ミライの働き方2019」も、いよいよ次回が最終回。
浜松市内企業の3社さまに、「働き方改革」の取組事例を発表頂いた事例発表会の内容を、当ブログにて改めてご紹介致します。お楽しみに。
「ミライの働き方2019」が、みなさまが働き方改革を企業価値と人材育成につなげていくための一歩になれば嬉しく思います。