2024.04.01

エンゲージメントと学びの関係

このところあらゆる会社の組織開発の現場で話を聞く機会においては「エンゲージメント調査」の言葉が出てこない日はないぐらい、エンゲージメント向上に向けて企業人事・事業マネージャーがいろいろ頭を悩ませているようです。

 

 

組織全体のエンゲージメントが高いか低いかで、組織のパフォーマンスが変わるということにあまり議論の余地はないと思いますが、「エンゲージメントを上げるために何をするか?」という処方箋的議論には違和感を感じますよね。

 

 

”エンゲージメント”は僕が言うまでもなく、結果としての「社員と組織の関係性」「社員の仕事への熱中度や効力感」を指すでしょうから、複雑な因果関係の結果として表れてくるものであり、経営・マネジメントが真面目にコツコツと人と組織のイシューに向き合ってきたかどうかの通信簿だと思います。

 
 

ということなので、唯一の特効薬はありませんが、僕の考える一つの処方の切り口について触れてみたいと思います。

 
 

社員にパフォーマンスに繋がる学びを奨励し、組織ぐるみで取り組むこと。

 
 

これが僕の考えるエンゲージメントに効く一つのアプローチだと考えます。

 

ということを言語化してみようと思ったきっかけのNOKIOO事例をご紹介します。

 

当社ではedge NOKIOO(エッジノキオ)という隔週1回30分の社員の学びの場があります。創業以来、取り組みの名称は変わりながらもずっと続けてきていますので、延べ200回程度はやってきたと思います。

 
 

この2024年3月第3週のegdeNOKIOOの発表者は高力さん。

UXライティングということをテーマに発表を頂きました。

きっかけは彼女が取り組んでいるあるサービス開発プロジェクトで、サービスの精度をあげるためにUXライティングを学ぶといいよというパートナーメンバーからのアドバイスで、セミナーを受講したり、自身でいろいろ調べてみたとのことでした。

 
 

15分ちょっとの発表でしたが、UXライティングの考え方から、事例、自身の仕事や自社の課題に引き寄せての発表内容がとても興味深く、参加メンバーもいろいろコメントしたり、感じる事があったようです。

 
 
 

社内の学びはgive & takeだと言ってますから、仕組みとしてedge NOKIOOの発表者にはその後のフィードバックフォームへの記入を通じて、感想や気づきをフィードバックする仕組みを作っています。

こんな感じのフィードバックコメントも有りましたので、発表者の理解の精度を上げることにも繋がっていると思います。

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これから、スクラのナーチャリングメールを書く機会が増えるので「**はこちら」は撲滅したいと思います。

 

NOKIOOメンバー全員が顧客に接する上で交わすテキストとウェブサイト等のパブリックなドキュメントで使われるテキストを一致させていきたい。

 

「●●はこちら」じゃなくて、具体的に示すことで読み手の行動へつなげるところ、実践してみようと思いました。

法人研修のメルマガは、ニューズレター作成の参考にしています♪

 

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発表の中では既に「UXライティング実践中!」ということでしたので、仕事の場面でも使ってみたり、このedgeNOKIOOがきっかけでチームの中に共通概念や共通語が出来たので、マーケティングチームのミーティングでも“一緒に”やってみることに繋がっていくでしょう。

 
 
 

当社のWEBサイトや顧客チャネルで使われている言葉もその結果として変わってくると思いますし、90分腹落ちセミナーの参加者が増えたり、資料ダウンロードが増えたり、、その結果、時間差で顧客も増えていくでしょうね。

高力さんの学びが事業の成果に何かしら繋がって、事業パフォーマンスが上がっていくでしょう。

 
 

ここから先は本人の感じている世界なので分かりませんが、きっと彼女は自身の学んだことで社内メンバーと前向きな意味ある対話の機会が生まれ、自分の仕事の精度が上がり、それが事業をより良くすることに繋がることで効力感を感じ、、、、、その他の要素も混じって、、、時間差で将来にはエンゲージメントが上がっていくのではないかと思っています。

 
 

というのが、当社NOKIOOで起こった今月の出来事。

 
 

まとめると‥‥

 

✓組織名で学びを奨励し、

✓「どんな事学んだの?教えて?共有してよ」と働きかけ、意味ある対話・雑談が展開され、

✓「それって仕事でどう使ってみる?」って建設的な議論や・提案を一緒に考えて、

✓一人の学びが起点にチームの仕事の質をあがり、

 

✓(それだけの用途とはいかないが、)事業のパフォーマンスも上がってくる

✓自身への事業への貢献実感を感じる

※時間差・複合要因で

✓エンゲージメントもあがる

 
 

というサイクルがあるのだろうと思います。



 

ということで、エンゲージメント調査に右往左往して、職場に対話が足りないから1on1をして、もっと対話だ。

ではなくて、

 

意味ある対話がされる”学び”の機会を作り、個人の成長と事業の成長をリンクさせる事に取り組んでみよう、という提案でした。



僕は会社というのはある意味「学びコミュニティー」だと思っていまして、仕事を通じていろんなことを学ぶのだから、職場は一緒に学ぶコミュニティーなのだと思っています。

ということで、次回は「職場は学びコミュニティー」というテーマでブログも書いてみたいと思います。