2020.12.29

2020年振り返り Best10位・・ランキング的に

2020年が終わるにあたって今年1年のNOKIOOの振り返りをしてみようと思う。
今年もいろいろ組織運営、事業推進上の反省の弁はいろいろあるけど、今回の振り返りはポジティブなことを中心に、2020年はNOKIOOにとってあれががあってよかったと将来振り返ることができそうなことや、自分にとっての初めての経験や自身の学びになったことを中心に適当に1位から10位まで順位付けをしてみた。
 
 
第10位:CFO業務を通じた新たな視点の獲得
 
今年3月にエンジェルラウンドで初めての外部資金を調達。その数か月後からは、またすぐに次のラウンドに向けた資金調達活動に入り、
 
『事業計画作成 → 財務計画作成 → 資本政策 → 投資家コミュニケーション・フィードバック・課題の提示 → 新たなイシュー設定とそれに対するいろんなメンバーを巻き込んだディスカッションとイシューに対する解づくり → 事業計画作成(次バージョン) → ・・・・』
 
このサイクルを何回転させたことか。
 
この過程の中で、投資家との議論においてはどういう論点になるのか、投資家向けに必要な情報の見せ方、そして投資家にもいろんな方がいて自分と合う人も合わない人もいることを体感。そして浜松ベンチャートライブ仲間のリンクウィズ・吹野君、とテラスマイル・生駒さんには遅い時間まで壁打ちに付き合ってもらい、先行している起業家から生のアドバイスをもらい、こうやってそれぞれの生の経験と考え方を地域の起業家に引き継いでいくことも体感。
自分自身の経営視点として新たな視点の獲得につながったと感じている。間もなくシード~プレAラウンドを終え、その次のフェーズを迎える時にはぜひ新たなCFO(できればCOO兼任してもらい)とこの活動をやりたいと思った。
 
 
 
第9位:社長ラジオの継続
 
 
4月1日から5月30日は原則事務所をクローズ。そんな中で会社で起きているトピックや、大事な考え方、認識しておいて欲しいことをどう伝えるかを考える中で、毎朝5-10分の社長ラジオを開始。
自分自身がここ2年くらいはVoicyユーザーで、耳から情報をインプットすることの効率性や馴染みやすさに触れていたのでこれを社内でも展開してみては、という実証実験的な意図もあった。
結果的にはこの年末まで、ほぼ毎日流し続けて第172回まで続けてきている。
 
メンバーの日報の中に社長ラジオで触れていたテーマに絡むコメントを目にしたり、何かのミーティングにひょっこり顔を出した際に、議論の中で「社長ラジオで言ってた「価格の決め方だけどさ~」・・」というようなメンバーの会話を聞き、社内に情報浸透をさせたり、考え方を広げていくうえで大事なツールになっていることを確信している。来年も継続をしたいと思う。来年の今頃はおそらく「第400回」ぐらいになっているはず。考えていることを分かりやすく言語化して、伝える自分自身の訓練でもある。
 
 
 
 
第8位:外部株主とのコミュニケーション
 
 
新たな株主が入ってくる中で、現状は3ヶ月に1回の株主報告会と不定期な個別コミュニケーションで事業進捗の共有をしたり、課題感を共有したり、壁打ち相手になってもらったり。これまでは社内であるいは自分の中で展開されていた思考・ディスカッションが、こうしたステークホルダーとできることに新鮮さを感じる。
 
今年3月に出資いただいた株主の皆様は、それぞれNOKIOOの可能性と、事業に対する期待、この事業が広がることによって社会的インパクトがあり、よりよい社会づくりに寄与することを思ってくれている方々であり、純粋に応援していただけていることが大変ありがたい。
 
そして現時点では出資には至らずも外部の知見やネットワークをお貸しいただき、時間を割いていただき、このNOKIOOの事業がどういう戦略で行けばより確実に、スピーディーに展開しうるだろうということを向き合ってディスカッションいただける投資家とのミーティングが非常にエキサイティングであることに気が付いたのも2020年の収穫である。
 
※一方で本質論に入れず表層的な会話で終わるVCや、お互いの貴重な時間を割いてやり取りしているはずにも関わらず失敬な態度のVCもいたり、だいぶ現場指向でどういう仕事が発生しうるかという視点に終始してしまいレバレッジ効かせた・広げた話に至れない事業会社もあったり、投資家・VC・事業会社もいろいろだな。と、これも勉強。
 
 
 
第7位:クリエイティブチームの社内研修効果で生まれ始めている自律的動き
 
2020年10月から毎週火曜日の16時半からの1時間×10回、クリエイティブチームメンバーを対象にした社内研修を実施。この研修はこれまで受託開発を中心に請け仕事をしてきた開発メンバーに、
 
・自分の頭で考え、
・自分たちの役割や価値を定義づけ、
・それをチームでどう達成するのかを考え、
・お互いに助け合える(ヘルプシーキング)技術を身につけ、
・自分自身のキャリアビジョンを持ち、
・課題解決のための能動的アクションをしていけるようになる
 
ためのチーム研修である。
 
まさにここで展開したコンテンツ・ファシリテーションは、NOKIOOが外部サービスとして「育休スクラ」「法人向け人材育成・組織開発プログラム」として提供しているもの。講師は全10回を取締役の小田木さんにお願いして実施した。それにあたり、経営メンバー内でも現状課題や過去のマネジメント経緯、受講対象メンバーの仕事スキルにおける強化ポイントを言語化し、事前にメンバーと1on1で共有した。
 
これは単に技術スキルを習得するのは異なる「思考・行動スキル」を根本的に変えていくものなので受講していたメンバーは、すぐには変化が見えないモヤモヤや、思考を変える時に生じるストレス・メンタル負荷があったと思うが、逃げずに向かっていることや小さく変わろうとしている姿や行動は見えてるわけなので自信を持って続けて欲しいと思う。
 
そしてこの12月には新たな期が11期として始まる中で、自発的にチーム内で課題を言語化しようとしたり、課題解決に向けて他チームに相談をしたり、アカウントマネージャー側を巻き込みクライアントワーク事業部の全体がワンチームになりつつある姿をみている。
 
 
少し話が逸れるが、今年僕が感じたIT業界の闇というか、この業界の人材をスポイルさせる構造的問題が体感値を持ってようやく分かってきたのだが、SESや多重下請け構造のシステム開発業界において、こうやって自律的なエンジニアやクリエーターの育成にどれだけ会社が力をいれてきただろうか?おそらくこれまでのIT業界(SESや請け中心開発企業)では、マネジメントする=人を育てる=まっすぐ向き合い評価・育成をする=キャリアデザイン力をつけさせる という思考で人材育成に取り組んでこなかったのだろう。ビジネスモデルが派遣型、人工型である限り、心の底から技術者を育てよう、その人が発揮するバリューを最大化させて、より稼げる・生み出せる人材にしていこう、というインセンティブは生まれないのだろう。
かつてのNOKIOOもそういうそういうモデルを行ってたわけで、そのモデルの上で人材育成に「問い」を立てられなかった時代はそういう状態だったということだろう。猛反省。
 
 
続きの6位からは明日以降に。
 
第6位は:Voicyへの挑戦と、音声メディア、テックタッチ語りかけモデルへの可能性