2020.08.30

1on1のこと

今期から会社として正式な社内の取り組みとして導入した1on1が当初の狙いと近い形で機能しはじめていると感じている。
 
 
働き方の様々な取り組みついては、会社やメンバーの成長ステップをどう歩んできたか、今のステージはどのへんか、自社事業の特性やその移り変わり、その事業にフィットする人・組織をどう定義するか、などを理解しながら、取り組みの導入が早すぎても遅すぎてもうまくいかないと思っているし、さらに“他がやっているから”で外形をそのまま持ってきてもうまくいかないと思っている。
 
 
ノキオスタイルの1on1については、そういう文脈で言うと今期に入ったタイミングで制度として、オフィシャルな取り組みとして取り入れてjust nowなタイミングで機能し始めた気がしている。
 
 
僕自身、1on1の機会を利用してメンバーの状況を知り、言語化に至っていないお互いのモヤった状態を一緒に対話を繰り返す中で言語化するプロセスを通じて共通理解をはかることにつながっているし、こちらからもちょっとしたことで「1on1しよう」という働きかけをすることができメンバーとのコミュニケーションの深化につながっている。
 
 
今期の経営計画書の「第10期働き方への挑戦」パートで、1on1への取り組みについてはこのように書かれている。
 
『NOKIOOの組織がよりPJ型組織に移行し、取り組むビジネス領域も流動性が高い領域となる中では、個々人の抱える課題感や言語化が難しい状態を他メンバーとの対話を通じて超える必要性がこれまで以上に高まると考える。またメンバーの人材育成や、本人が主導する経験学習サイクル(経験⇒内省⇒概念化⇒応用展開)をサポートし、協働するメンター(リーダー)との情報交換においても有用な機会と考え、ノキオスタイルとしての1on1ミーティングに取り組む。』
 
 
そういうタイミングが来たのではないか?という気づきがあったのは、昨期かそのちょっと前ぐらいから、(当時は存在していた)女性活躍推進事業部で事業責任者の小田木さんが、メンバーの困りごとや不安、あるいは前向きに取り組みたいことの理解に充てるタイミングを折を見てイレギュラータイミングで設けるというよりは、定期的に1対1で話をしながら理解を深めているのを見たような気がすることと、
 
昨年末に僕の中では大ヒットだった「ハイアウトプット・マネジメント」を読む中で、
(2020.01.17 社内有志の昼休みABD勉強会!超ハードでした。)
 
定期的にリーダーとメンバーが1対1で、メンバーがアジェンダを準備し、制度として行う1on1がNOKIOOの今の状態にとって欲されていると感じ、推奨というよりは制度として取り組むようにノキオスタイルに組み入れた。
 
 
ちなみに既述した経営計画書では「全メンバー月1回程度は実施するものとし、実施回数はVチャレの業績(プロセス)における記載事項(評価事項)とする。」としている。もちろんかたちだけの1on1をしても全く意味はないし、実施した回数を安直に評価につなげるつもりは全くないが、1on1をうまく使えているメンバー程こそ今期伸びている気がするし、うまく自分の課題感を他者(リーダー)の力を借りながら明確化し、それを超えるための取り組みにつなげてられていることが見えている。
つまり1on1の回数という表面的なものでなくて、そのメンバーの成長につながっているか否かで見ることができそうなレベルにまであがってきていると思っている。
 
 
 
制度化されていないと・・・「ちょっと相談があるんですけど…」「ちょっと面談させてください…」不意にこんな声がけされたら、リーダーも身構えるし、声をかける方も身構えさせてしまうのではないかと思い、ちょっとしたことでの面談の申し入れは心理的障壁が大きくて難しい。
制度がされていれば、ライトに「あっ、来週1on1お願いします!」。あるいは、何の断りもなく普通にスケジュールに1on1を登録してそのタイミングを迎えることができる。
NOKIOOでは後者な感じになってきた。
 
 
そしてこの1on1が機能する大前提として、組織内の情報がオープンであったり、組織としてのビジョンが明確であったり、ビジョンドリブンで動ける人材がベースで構成されているチームであることや、個々人の情報処理能力が高いことがもとめられるわけで、そうした素地を作ることを1on1導入前にやってきたから、just nowなタイミングを迎えられることになったのだと思う。
 
 
ちなみにここで僕が言っている情報処理能力とは、例えば、オープンであるがゆえに社内に流通する情報量は多いし、ビジョン共有を大切にするがゆえに抽象度の高い情報もたくさん浴びせられるが、これらの情報を処理しようと考え続ける思考体力や、これらの情報を構造化して考えようとする論理思考能力、自分の実務(具体)と結び付けて考える抽象と具体の行き来をする思考力のこと。
 
 
最近、こうした背景を持つメンバーとの1on1は、難しいイシューについての時間であってもかみ合わせた議論や対話ができるようになってきて1on1で過ごす時間に対して濃密度を感じる。
 
 
今期が終わったら、一度1on1制度を振り返り、ノキオ的1on1とは何なのかを言語化し、きちんとノキオスタイルの一部に昇華をさせていきたい。